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目次この記事でわかること13項目+
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読む前に押さえたいこと
「BUNが高いから腎不全」「Crが基準範囲内だから大丈夫」と決めていないでしょうか。BUNはたんぱく質代謝や体液量、消化管出血などでも動き、Crは筋肉量や薬剤の影響を受けます。eGFRもCrなどから計算した推算値で、腎機能が急速に変化する場面には限界があります。この記事では、3項目の意味を整理し、前値からの変化、尿量、体液量、尿所見、電解質、薬剤をどの順番で組み合わせるかを解説します。異常を見つけたあと、何を再確認し、誰に何を伝えるかまでつなげましょう。
BUN・Cr・eGFRは「5つの軸」で読む
この章の要点結論からいえば、BUN・Cr・eGFRのどれか1つだけで「腎機能が悪い」「脱水である」とは判断できません。まず現在値を患者本人の安定時の値と比べ、次の5つの軸で読みます。
- 前値との差:その患者にとって、どの程度変わったか。
- 変化の速さ:時間〜日単位か、3か月以上続く変化か。
- 尿量:体重当たりの尿量が、何時間続いて変化しているか。
- 背景:摂取・喪失、循環、感染、手術、出血、筋肉量、薬剤などがあるか。
- 併存所見:尿蛋白・血尿、K、酸塩基平衡、浮腫、呼吸状態、血圧、体重などがどう動いているか。
腎臓の状態は、老廃物の濾過だけでなく、水分・電解質・酸塩基平衡の調整や尿異常にも表れます。したがって、血液データ3項目を「尿と患者」に戻して解釈することが重要です。
BUN
- 何を示すか
- 血中の尿素に含まれる窒素
- 主な読み方
- 排泄低下だけでなく、産生増加や再吸収増加も考える
- 腎機能以外の主な影響
- 体液量、蛋白摂取、消化管出血、蛋白異化、肝での尿素産生
Cr
- 何を示すか
- 主に筋肉代謝から生じるクレアチニン
- 主な読み方
- 糸球体濾過機能をみる基本的な指標
- 腎機能以外の主な影響
- 筋肉量、肉の摂取、激しい運動、薬剤、測定法
eGFR
- 何を示すか
- Cr・年齢・性別から推算したGFR
- 主な読み方
- CKDの腎機能区分や経過評価に用いる
- 腎機能以外の主な影響
- Crに影響する要因、急速な腎機能変化、体格、推算式の誤差
| 項目 | 何を示すか | 主な読み方 | 腎機能以外の主な影響 |
|---|---|---|---|
| BUN | 血中の尿素に含まれる窒素 | 排泄低下だけでなく、産生増加や再吸収増加も考える | 体液量、蛋白摂取、消化管出血、蛋白異化、肝での尿素産生 |
| Cr | 主に筋肉代謝から生じるクレアチニン | 糸球体濾過機能をみる基本的な指標 | 筋肉量、肉の摂取、激しい運動、薬剤、測定法 |
| eGFR | Cr・年齢・性別から推算したGFR | CKDの腎機能区分や経過評価に用いる | Crに影響する要因、急速な腎機能変化、体格、推算式の誤差 |
3項目は、同じ腎機能を別名で示す検査ではない
この章の要点3項目の違いを、まず一枚の表で整理します。
BUN(血中尿素窒素)
- 主に何を表すか
- たんぱく質代謝で生じた尿素のうち、血中の窒素量
- 一般的な単位
- mg/dL
- 腎機能以外の主な影響
- たんぱく摂取、異化亢進、発熱、消化管出血、ステロイド、肝での尿素産生、体液量・腎血流
- 単独ではいえないこと
- 「高値だから腎不全」「高値だから脱水」とは断定できない
Cr(血清クレアチニン)
- 主に何を表すか
- 筋肉由来のクレアチニンの血中濃度。糸球体濾過の変化を反映する内因性マーカー
- 一般的な単位
- mg/dL
- 腎機能以外の主な影響
- 筋肉量、年齢、食事・運動、一部薬剤、急性変化の時間差
- 単独ではいえないこと
- 基準範囲内でも腎機能低下を除外できない
eGFR
- 主に何を表すか
- Cr、年齢、性別から日本人成人用の式で推算した標準化GFR
- 一般的な単位
- mL/分/1.73 m²
- 腎機能以外の主な影響
- Crに影響する要因、体格、推算誤差、腎機能が変化中かどうか
- 単独ではいえないこと
- 実測値でも、腎機能の正確な百分率でもない
| 項目 | 主に何を表すか | 一般的な単位 | 腎機能以外の主な影響 | 単独ではいえないこと |
|---|---|---|---|---|
| BUN(血中尿素窒素) | たんぱく質代謝で生じた尿素のうち、血中の窒素量 | mg/dL | たんぱく摂取、異化亢進、発熱、消化管出血、ステロイド、肝での尿素産生、体液量・腎血流 | 「高値だから腎不全」「高値だから脱水」とは断定できない |
| Cr(血清クレアチニン) | 筋肉由来のクレアチニンの血中濃度。糸球体濾過の変化を反映する内因性マーカー | mg/dL | 筋肉量、年齢、食事・運動、一部薬剤、急性変化の時間差 | 基準範囲内でも腎機能低下を除外できない |
| eGFR | Cr、年齢、性別から日本人成人用の式で推算した標準化GFR | mL/分/1.73 m² | Crに影響する要因、体格、推算誤差、腎機能が変化中かどうか | 実測値でも、腎機能の正確な百分率でもない |
BUNとCrの基準範囲は、測定法や施設で異なります。検査票に示された自施設の基準範囲を確認し、基準範囲を診断基準や緊急連絡値と混同しないでください。eGFRのG区分も、健康者の「正常範囲」を示す表ではなく、腎障害所見と組み合わせて重症度を分類するための区分です。
BUNは「腎臓から出せない」だけでなく「多く作られる・多く再吸収される」でも上がる
この章の要点BUNは、アミノ酸の分解で生じたアンモニアが肝臓で尿素となり、その尿素が腎臓から排泄される過程を反映します。尿素は糸球体で濾過されたあと、尿細管で再吸収され、その割合は尿流量などで変化します。そのためBUN高値には、少なくとも次の背景があります。
- 腎臓からの排泄低下:GFR低下、腎血流低下。
- 尿素産生の増加:高たんぱく摂取、発熱・感染などの異化亢進、消化管出血、ステロイド投与など。
- 再吸収の増加:体液量減少や心不全などで腎血流・尿流が低下した状態。
反対に、低たんぱく摂取や重い肝機能障害などではBUNが低くなり、腎機能を実際よりよく見せることがあります。BUNが低いことも「腎臓がよく働いている」証明にはなりません。
BUN/Cr比は、両方をmg/dLで測ったときに20を超えると腎前性を示唆すると慣用的に説明されます。しかし、消化管出血や異化亢進でもBUNが上がり、筋肉量が少なければ分母のCrが低くなるため、比は高くなります。救急部門の観察研究でも、BUN/Cr比単独で腎前性AKIと腎性AKIを識別する性能は示されませんでした。比は仮説を立てる手がかりであり、脱水の診断基準ではありません([Manoeuvrierら、2017年](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28545421/))。
看護では、飲水・食事量、嘔吐・、発熱、出血を疑う便や吐物、体重、血圧・脈拍、・呼吸状態を同時に見ます。ではがあっても有効循環血液量が低下し、が相対的に上がることがあります。「が高いから輸液」と短絡しないことが安全につながります。
Crは筋肉量と時間軸を外すと、腎機能を見誤る
この章の要点Crは筋肉のクレアチンから生じ、主に糸球体で濾過されます。腎機能が低下すると血中Crは上がりますが、産生量が筋肉量に左右されるため、同じCr値でも意味は同じではありません。
高齢者、サルコペニア、長期臥床、四肢欠損など筋肉量の少ない患者では、腎機能が低下していてもCrが目立って上がらないことがあります。反対に、筋肉量の多い人、強い運動後、肉類摂取などでは高めに出ることがあります。また、シメチジン、トリメトプリム、ドルテグラビルなどは尿細管からのCr分泌を抑え、実際のGFR低下を伴わずにCrを上げる場合があります。
急激にGFRが低下した直後は、Crが新しい定常状態に達していません。したがって、単回のCrや、そのCrから計算したeGFRだけで急性期の腎機能を量ることはできません。絶対値より、いつからどの速度で変わったかが重要です。
たとえば、Crが0.6 mg/dLから0.9 mg/dLへ36時間で上がった場合、0.9 mg/dLが検査票の基準範囲内でも、0.3 mg/dLの上昇かつ前値の1.5倍です。時間条件も満たせばAKIの基準に該当します。「基準範囲内だから報告不要」とは判断できません。
eGFRは便利な推算値だが、「患者の腎機能そのもの」ではない
この章の要点日本人成人のeGFRcrは、男性では「194 × Cr^−1.094 × 年齢^−0.287」、女性ではさらに0.739を乗じる式で推算します。18歳以上に用いる式で、単位はmL/分/1.73 m²です。1.73 m²は標準的な体表面積で補正した値であり、eGFR 50を「腎臓が正確に50%働いている」と読むのは適切ではありません([日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」](https://cdn.jsn.or.jp/medic/guideline/pdf/guide/viewer.html?file=1-178_v3.pdf))。
日本腎臓学会のGFR区分は次のとおりです。
G1
- eGFR(mL/分/1.73 m²)
- 90以上
- 読み方の要点
- 腎障害所見がなければ、区分だけでCKDとはしない
G2
- eGFR(mL/分/1.73 m²)
- 60〜89
- 読み方の要点
- 同上。尿蛋白・アルブミン尿などを確認する
G3a
- eGFR(mL/分/1.73 m²)
- 45〜59
- 読み方の要点
- 軽度〜中等度低下
G3b
- eGFR(mL/分/1.73 m²)
- 30〜44
- 読み方の要点
- 中等度〜高度低下
G4
- eGFR(mL/分/1.73 m²)
- 15〜29
- 読み方の要点
- 高度低下
G5
- eGFR(mL/分/1.73 m²)
- 15未満
- 読み方の要点
- 末期腎不全の区分。透析開始を数値だけで決めるわけではない
| G区分 | eGFR(mL/分/1.73 m²) | 読み方の要点 |
|---|---|---|
| G1 | 90以上 | 腎障害所見がなければ、区分だけでCKDとはしない |
| G2 | 60〜89 | 同上。尿蛋白・アルブミン尿などを確認する |
| G3a | 45〜59 | 軽度〜中等度低下 |
| G3b | 30〜44 | 中等度〜高度低下 |
| G4 | 15〜29 | 高度低下 |
| G5 | 15未満 | 末期腎不全の区分。透析開始を数値だけで決めるわけではない |
eGFRcrには推算誤差があります。日本腎臓学会は、実測GFRの±30%以内に入る割合を約75%と説明しています。筋肉量が少ない患者ではCrが低いためeGFRcrが実際より高く、多い患者では低く推算される方向にずれます。筋肉量が極端に少ない・多い患者では、シスタチンCによるeGFRや実測GFRが検討されますが、シスタチンCにも甲状腺機能、炎症、喫煙、妊娠、薬剤などの影響があります。どの指標にも限界があり、必要な精度と患者背景に応じて選びます。
薬物投与量の検討では、標準化eGFRのままではなく、患者の体表面積で個別化したmL/分の値を用いる場合があります。一方、添付文書がCcrを指定する薬剤もあります。Ccrは尿細管分泌や蓄尿誤差の影響を受け、常に実測GFRと同じではありません。看護師は自己判断で減量・中止せず、採用している指標、最新値、体格、投与時刻、尿量をそろえて医師・薬剤師へ確認します。
急性は「短時間の変化」、慢性は「3か月を超える持続」で考える
この章の要点AKIとCKDは併存します。もともとCKDがある患者にもAKIは起こるため、「以前からCrが高いから今回も同じ」とは限りません。以下の定義は、国内の[AKI診療ガイドライン2016](https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/419-533.pdf)と[CKD診療ガイドライン2023](https://cdn.jsn.or.jp/medic/guideline/pdf/guide/001-294.pdf)に基づきます。
AKI
- 基準の要点
- ①48時間以内に血清Crが0.3 mg/dL以上上昇、②7日以内に前値の1.5倍以上、③尿量0.5 mL/kg/時以下が6時間以上、のいずれか
- 読むときの注意
- Crと尿量の両方を見る。基準Crが不明なら、過去データ・病歴・尿所見・画像などを含めて評価する
CKD
- 基準の要点
- 腎障害を示す所見、またはGFR 60 mL/分/1.73 m²未満が3か月を超えて持続
- 読むときの注意
- 単回のeGFR低値では確定しない。原因C、GFR区分G、蛋白尿・アルブミン尿区分Aを組み合わせる
| 状態 | 基準の要点 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| AKI | ①48時間以内に血清Crが0.3 mg/dL以上上昇、②7日以内に前値の1.5倍以上、③尿量0.5 mL/kg/時以下が6時間以上、のいずれか | Crと尿量の両方を見る。基準Crが不明なら、過去データ・病歴・尿所見・画像などを含めて評価する |
| CKD | 腎障害を示す所見、またはGFR 60 mL/分/1.73 m²未満が3か月を超えて持続 | 単回のeGFR低値では確定しない。原因C、GFR区分G、蛋白尿・アルブミン尿区分Aを組み合わせる |
AKIではCrが変化中であり、通常のeGFR式が前提とする安定状態から外れます。自動表示されたeGFRの小さな上下より、Crの絶対変化・相対変化、尿量と持続時間、循環・感染・閉塞・薬剤などの原因候補を優先します。
CKDでは、今回値だけでなく、3か月を超える期間のCr・eGFR推移と、尿蛋白・アルブミン尿の持続を確認します。G1・G2でも蛋白尿などの腎障害所見が持続すればCKDになりえます。逆に、発熱や下痢の最中にeGFRが一度55だっただけでは、CKDと確定できません。
実務では「値の確認→前値→速度→背景→併存所見」の順で読む
この章の要点検査結果を見たら、次の順序で確認すると見落としを減らせます。
- データの前提を確認する
患者、採血日時、単位、自施設の基準範囲を確認します。透析、輸液、食事、激しい運動、薬剤投与の前後なら、その時点も記録します。
- 「いつもの値」を探す
安定時のCr・eGFRを電子カルテのグラフで確認します。AKIを考えるときは直近48時間と7日、CKDを考えるときは3か月を超える期間を意識します。基準値が不明なら、推測値を事実のように扱いません。
- 変化を数値化する
Crが何mg/dL上がったか、前値の何倍か、何時間・何日で変化したかを確認します。「高い」だけでなく「0.8から1.2へ2日で上昇」のように表現します。
- 変化の前後に起きたことを並べる
発熱・感染、嘔吐・下痢、出血、食事・飲水低下、手術、造影検査、血圧低下、尿路症状、処方変更、市販薬・サプリメント使用を時間順に並べます。
- 尿量と全身所見で仮説を確かめる
尿量、体重、入出量、血圧・脈拍、浮腫、呼吸状態、尿所見、K・酸塩基平衡を合わせます。介入後は同じ項目で反応を追い、改善・悪化の方向を共有します。
この順序なら、「BUNが高い」という点の情報が、「下痢後に体重が減り、血圧が低下し、尿量も減り、Crが48時間で上昇した」という臨床像になります。反対に、浮腫・体重増加・呼吸困難があれば、同じBUN高値でも単純な水分不足とは考えにくくなります。
48時間以内
- AKIを疑う変化
- Crが0.3mg/dL以上上昇
7日以内
- AKIを疑う変化
- Crが基礎値の1.5倍以上へ上昇
6時間以上
- AKIを疑う変化
- 尿量が0.5mL/kg/時以下
3か月超
- AKIを疑う変化
- eGFR低下や腎障害所見が持続すればCKDを検討
| 確認する時間軸 | AKIを疑う変化 |
|---|---|
| 48時間以内 | Crが0.3mg/dL以上上昇 |
| 7日以内 | Crが基礎値の1.5倍以上へ上昇 |
| 6時間以上 | 尿量が0.5mL/kg/時以下 |
| 3か月超 | eGFR低下や腎障害所見が持続すればCKDを検討 |
3つの架空例で「値より変化」を練習する
この章の要点以下は読み方を学ぶための架空例であり、個別の診断・治療指示ではありません。
例1:基準範囲内のCrでもAKIを見逃さない
筋肉量の少ない高齢者。安定時Cr 0.6 mg/dLが36時間で0.9 mg/dLへ上昇し、尿量は0.4 mL/kg/時が8時間続いています。下痢と食事・飲水低下もあります。
この場合、Crは0.3 mg/dL上昇し、前値の1.5倍です。尿量基準にも該当します。今回のCrが検査票の基準範囲内に見えてもAKIとしての評価が必要です。測定方法、血圧、体重、入出量、K、感染徴候、薬剤を確認して、時間情報とともに報告します。体液量減少は候補ですが、輸液の適否・量は循環や心機能を含めて医師が判断します。
例2:BUN/Cr比が高くても「脱水」と決めない
心不全のある患者。BUNがCrに比べて大きく上がっていますが、数日で体重が増え、下腿浮腫、呼吸困難、SpO2低下があります。
BUN/Cr比だけなら腎前性を考えますが、この患者には体液過剰を示す所見があります。心拍出量低下などで腎灌流が低下しつつ、全身には水分が貯留している可能性があります。飲水を勧めたり輸液を前提にしたりせず、呼吸・循環の緊急性を優先して報告します。
例3:eGFR 55を一度見ただけではCKDと決めない
発熱時の採血でeGFR 55 mL/分/1.73 m²でした。過去値はなく、尿蛋白も未確認です。
この時点でわかるのは、採血時にeGFRがG3a相当だったことです。発熱、体液量、薬剤、Crの推移を確認し、急性変化がないかを先に評価します。CKDと判断するには、腎障害所見またはGFR低下が3か月を超えて持続するかの確認が必要です。
看護観察は、数値が動いた理由と危険な合併症を探すために行う
この章の要点観察項目は「何となく一式」で集めず、何を判断する情報なのかを明確にします。
尿量、測定時間、体重当たり尿量
- なぜ見るか
- 尿量低下はAKI基準の一部で、Cr上昇より早く気づけることがある
- 組み合わせて読む情報
- Crの変化、血圧、入出量、閉塞所見。尿量が保たれるAKIもあるため、正常尿量だけで除外しない
- 再評価・記録・報告
- 実測量・体重・持続時間・前区間との変化を記録。AKI基準該当や急減は担当医・当直医へ報告し、介入後も同じ区間で再評価
排尿状況、膀胱部膨満、尿意、側腹部痛、カテーテル・蓄尿系
- なぜ見るか
- 尿閉、尿路閉塞、屈曲・閉鎖、測定漏れを区別する
- 組み合わせて読む情報
- 尿量急減、下腹部所見、画像・残尿測定の指示
- 再評価・記録・報告
- 安全に確認できる屈曲・閉鎖・測定漏れを記録。閉塞を疑う所見は担当医へ報告し、カテーテル操作は施設手順・指示に従う
体重、入出量、浮腫、頸静脈怒張、肺音、呼吸困難、SpO2
- なぜ見るか
- 体液量減少と体液過剰のどちらも腎機能悪化に関係し、対応が逆になることがある
- 組み合わせて読む情報
- 血圧・脈拍、酸素化、心不全歴、輸液・利尿薬、BUN/Crの推移
- 再評価・記録・報告
- 前日・前勤務帯と比較して記録。呼吸悪化や急な体重・入出量変化は担当医へ、急変時は所定の緊急経路へ報告
血圧、脈拍、体温、末梢冷感、意識、毛細血管再充満
- なぜ見るか
- 腎灌流低下、出血、感染・敗血症、ショックを早期に捉える
- 組み合わせて読む情報
- 尿量、乳酸などの指示検査、感染源、出血徴候、降圧薬・利尿薬
- 再評価・記録・報告
- 測定条件と推移を記録。循環不安定・意識変化は再測定だけで待たず緊急報告し、対応後も頻度を上げて再評価
飲水・食事、嘔吐、下痢、発熱、発汗、ドレーン排液、出血徴候
- なぜ見るか
- 体液喪失とBUN産生増加の背景を捉える
- 組み合わせて読む情報
- 体重、血圧、BUN/Cr、Hb、便・吐物の性状、栄養状態
- 再評価・記録・報告
- 量・回数・性状・開始時刻を記録。持続する喪失、消化管出血疑い、摂取不能を担当医へ共有し、管理栄養士とも連携
尿蛋白・アルブミン尿、血尿、尿沈渣、尿の色・泡立ち
- なぜ見るか
- GFRとは別の「腎障害」を捉え、腎性病変の手がかりになる
- 組み合わせて読む情報
- CKDの持続性、浮腫、血圧、病歴。外観だけで蛋白尿・血尿を確定しない
- 再評価・記録・報告
- 採尿条件・検査値・外観を分けて記録。新規・増悪する蛋白尿や血尿、全身症状の併存を担当医へ報告し、指示された再検時に比較
K、Na、HCO3−または血液ガス、必要時Ca・P
- なぜ見るか
- 腎機能低下に伴う電解質・酸塩基異常は、BUN・Crの程度にかかわらず緊急になりうる
- 組み合わせて読む情報
- 心電図、脈拍、不整脈、筋力低下、呼吸、意識
- 再評価・記録・報告
- 検体条件と前値を確認。施設の緊急連絡値、急速な変化、症状・心電図変化は即時報告し、指示後の再検値と症状を追跡
悪心・嘔吐、食欲低下、傾眠・意識変化、けいれん、胸痛、出血傾向
- なぜ見るか
- 尿毒症や重い電解質・酸塩基異常などの合併症を疑う
- 組み合わせて読む情報
- BUN・Crだけでなく、バイタル、K、酸塩基平衡、心電図、神経所見
- 再評価・記録・報告
- 発症時刻・程度・前状態との差を記録。意識変化、けいれん、心膜炎を疑う胸痛は緊急報告し、対応後の変化を再評価
処方薬、市販NSAIDs、サプリメント、造影検査、最近の薬剤追加・増量
- なぜ見るか
- 腎障害の誘因、Crのみを変える薬剤、腎排泄薬の蓄積を見分ける
- 組み合わせて読む情報
- 開始日・最終投与時刻、用量、腎機能指標、尿量、血中濃度や副作用
- 再評価・記録・報告
- 薬剤名・用量・最終投与・曝露時刻を記録。医師・薬剤師へ腎機能変化と副作用疑いを共有し、中止・減量は指示を確認
| 観察・確認項目 | なぜ見るか | 組み合わせて読む情報 | 再評価・記録・報告 |
|---|---|---|---|
| 尿量、測定時間、体重当たり尿量 | 尿量低下はAKI基準の一部で、Cr上昇より早く気づけることがある | Crの変化、血圧、入出量、閉塞所見。尿量が保たれるAKIもあるため、正常尿量だけで除外しない | 実測量・体重・持続時間・前区間との変化を記録。AKI基準該当や急減は担当医・当直医へ報告し、介入後も同じ区間で再評価 |
| 排尿状況、膀胱部膨満、尿意、側腹部痛、カテーテル・蓄尿系 | 尿閉、尿路閉塞、屈曲・閉鎖、測定漏れを区別する | 尿量急減、下腹部所見、画像・残尿測定の指示 | 安全に確認できる屈曲・閉鎖・測定漏れを記録。閉塞を疑う所見は担当医へ報告し、カテーテル操作は施設手順・指示に従う |
| 体重、入出量、浮腫、頸静脈怒張、肺音、呼吸困難、SpO2 | 体液量減少と体液過剰のどちらも腎機能悪化に関係し、対応が逆になることがある | 血圧・脈拍、酸素化、心不全歴、輸液・利尿薬、BUN/Crの推移 | 前日・前勤務帯と比較して記録。呼吸悪化や急な体重・入出量変化は担当医へ、急変時は所定の緊急経路へ報告 |
| 血圧、脈拍、体温、末梢冷感、意識、毛細血管再充満 | 腎灌流低下、出血、感染・敗血症、ショックを早期に捉える | 尿量、乳酸などの指示検査、感染源、出血徴候、降圧薬・利尿薬 | 測定条件と推移を記録。循環不安定・意識変化は再測定だけで待たず緊急報告し、対応後も頻度を上げて再評価 |
| 飲水・食事、嘔吐、下痢、発熱、発汗、ドレーン排液、出血徴候 | 体液喪失とBUN産生増加の背景を捉える | 体重、血圧、BUN/Cr、Hb、便・吐物の性状、栄養状態 | 量・回数・性状・開始時刻を記録。持続する喪失、消化管出血疑い、摂取不能を担当医へ共有し、管理栄養士とも連携 |
| 尿蛋白・アルブミン尿、血尿、尿沈渣、尿の色・泡立ち | GFRとは別の「腎障害」を捉え、腎性病変の手がかりになる | CKDの持続性、浮腫、血圧、病歴。外観だけで蛋白尿・血尿を確定しない | 採尿条件・検査値・外観を分けて記録。新規・増悪する蛋白尿や血尿、全身症状の併存を担当医へ報告し、指示された再検時に比較 |
| K、Na、HCO3−または血液ガス、必要時Ca・P | 腎機能低下に伴う電解質・酸塩基異常は、BUN・Crの程度にかかわらず緊急になりうる | 心電図、脈拍、不整脈、筋力低下、呼吸、意識 | 検体条件と前値を確認。施設の緊急連絡値、急速な変化、症状・心電図変化は即時報告し、指示後の再検値と症状を追跡 |
| 悪心・嘔吐、食欲低下、傾眠・意識変化、けいれん、胸痛、出血傾向 | 尿毒症や重い電解質・酸塩基異常などの合併症を疑う | BUN・Crだけでなく、バイタル、K、酸塩基平衡、心電図、神経所見 | 発症時刻・程度・前状態との差を記録。意識変化、けいれん、心膜炎を疑う胸痛は緊急報告し、対応後の変化を再評価 |
| 処方薬、市販NSAIDs、サプリメント、造影検査、最近の薬剤追加・増量 | 腎障害の誘因、Crのみを変える薬剤、腎排泄薬の蓄積を見分ける | 開始日・最終投与時刻、用量、腎機能指標、尿量、血中濃度や副作用 | 薬剤名・用量・最終投与・曝露時刻を記録。医師・薬剤師へ腎機能変化と副作用疑いを共有し、中止・減量は指示を確認 |
観察の目的は、原因を看護師だけで確定することではありません。「腎前性らしい」「薬剤性らしい」と仮説を持ちながら、反対の所見も探し、診断と治療に必要な情報を欠けなく渡すことです。
報告は「異常値」ではなく、変化・時間・尿量・全身状態を一組にする
この章の要点次の所見がある場合は、所属施設の急変対応・緊急連絡基準に従い、担当医または当直医へ速やかに報告します。状態が不安定なら、院内急変対応チームなど所定の経路を優先します。
- 新たな無尿、急激な尿量減少、またはAKI基準に該当するCr・尿量の変化。
- 低血圧、ショック徴候、出血、重い感染を疑う全身状態の悪化。
- 呼吸困難、SpO2低下、湿性ラ音、急な体重増加など体液過剰・肺水腫を疑う所見。
- 施設の緊急連絡値に該当するK異常、急速なK上昇、不整脈や心電図変化。
- 重いアシドーシスを疑う呼吸・意識変化、原因不明の意識障害、けいれん、心膜炎を疑う胸痛。
- 尿路閉塞を疑う尿量急減、膀胱部膨満、強い側腹部痛、カテーテル排液異常。
報告前に、患者・採血時刻・単位、過去値、尿量の測定時間、蓄尿やカテーテルの状態を確認します。ただし、再確認のために報告を遅らせてはいけません。K異常では溶血など検体条件も確認しますが、症状や心電図変化があれば再採血結果を待たずに緊急対応につなげます。
SBARで伝える例:
- S:何が、いつから危険と考えられるか。「8時間で尿量0.4 mL/kg/時、Crが36時間で0.6から0.9へ上昇しています」。
- B:安定時Cr・eGFR、CKD・心不全・糖尿病、・手術・出血、直近の造影や薬剤変更。
治療はBUN・Crを下げることではなく、原因と合併症に対応する
この章の要点BUNやCrは状態を映す指標であり、数値そのものを下げることが治療目標ではありません。体液量減少、循環不全、感染、尿路閉塞、腎実質の病変、薬剤など、原因によって対応は異なります。体液量減少が疑われても、心不全や体液過剰があれば画一的な輸液は危険です。薬剤が疑わしくても、看護師が自己判断で中止せず、投与時刻・用量・適応・代替の必要性を医師・薬剤師と共有します。
AKIで腎代替療法を緊急に検討するのは、治療に反応しない体液過剰、重い高K血症または急速なK上昇、重い代謝性アシドーシス、心膜炎や原因不明の意識障害など、生命を脅かす水分・電解質・酸塩基・尿毒症の問題があるときです。BUNやCrの単一の数字だけで開始時期を決める十分な根拠はありません([AKI診療ガイドライン2016、CQ7-1](https://cdn.jsn.or.jp/guideline/pdf/419-533.pdf))。
看護師は介入後も、尿量、血圧、体重、浮腫、肺音、SpO2、K・酸塩基平衡、意識、悪心・食欲、薬剤副作用を同じ時間軸で追います。「検査値が少し改善した」だけで、呼吸や循環の悪化を見落とさないことが重要です。
eGFR
- 主な単位
- mL/分/1.73m²
- 主な用途
- CKD診断・G区分・経過評価
- 読み違えやすい点
- 標準体表面積に補正されている
体表面積未補正eGFR
- 主な単位
- mL/分
- 主な用途
- 個人の薬物クリアランス評価など
- 読み違えやすい点
- eGFR×体表面積÷1.73で換算する
実測CCr
- 主な単位
- mL/分
- 主な用途
- 蓄尿を用いた補助的評価
- 読み違えやすい点
- 蓄尿誤差があり、GFRより高めになりうる
推算CCr
- 主な単位
- mL/分
- 主な用途
- 一部薬剤の投与量設定
- 読み違えやすい点
- Cockcroft–Gault式などを使用し、eGFRとは式が異なる
| 指標 | 主な単位 | 主な用途 | 読み違えやすい点 |
|---|---|---|---|
| eGFR | mL/分/1.73m² | CKD診断・G区分・経過評価 | 標準体表面積に補正されている |
| 体表面積未補正eGFR | mL/分 | 個人の薬物クリアランス評価など | eGFR×体表面積÷1.73で換算する |
| 実測CCr | mL/分 | 蓄尿を用いた補助的評価 | 蓄尿誤差があり、GFRより高めになりうる |
| 推算CCr | mL/分 | 一部薬剤の投与量設定 | Cockcroft–Gault式などを使用し、eGFRとは式が異なる |
よくある誤解を、患者にも伝わる言葉へ直す
BUNが高いから腎不全です
- 正確な読み替え
- BUNは腎臓からの排泄だけでなく、食事、発熱・感染、出血、体液量にも影響されます。ほかの検査と症状を合わせます
Crが正常だから腎臓は大丈夫です
- 正確な読み替え
- Crは筋肉量が少ないと低く出ます。本人の以前の値とeGFR、尿検査、尿量を確認します
BUN/Cr比が20超なら脱水です
- 正確な読み替え
- 腎前性を考える手がかりの一つですが、消化管出血や筋肉量低下などでも高くなります。比だけでは診断できません
eGFR 50は腎機能がちょうど50%です
- 正確な読み替え
- 標準体格に補正した推算値です。実測値や正確な百分率ではなく、推移と尿所見を合わせて読みます
eGFRが一度60未満ならCKDです
- 正確な読み替え
- GFR低下または腎障害所見が3か月を超えて続くかを確認します。急性変化ならAKIの評価が先です
腎機能が悪ければ水分を増やします
- 正確な読み替え
- 水分不足と水分過剰のどちらもありえます。心臓・呼吸・むくみ・血圧を確認し、指示された量を守ります
透析はBUNやCrの数字で決まります
- 正確な読み替え
- 数字だけでなく、呼吸、水分、K、酸性度、尿毒症症状、治療への反応を総合して決めます
| よくある言い方 | 正確な読み替え |
|---|---|
| BUNが高いから腎不全です | BUNは腎臓からの排泄だけでなく、食事、発熱・感染、出血、体液量にも影響されます。ほかの検査と症状を合わせます |
| Crが正常だから腎臓は大丈夫です | Crは筋肉量が少ないと低く出ます。本人の以前の値とeGFR、尿検査、尿量を確認します |
| BUN/Cr比が20超なら脱水です | 腎前性を考える手がかりの一つですが、消化管出血や筋肉量低下などでも高くなります。比だけでは診断できません |
| eGFR 50は腎機能がちょうど50%です | 標準体格に補正した推算値です。実測値や正確な百分率ではなく、推移と尿所見を合わせて読みます |
| eGFRが一度60未満ならCKDです | GFR低下または腎障害所見が3か月を超えて続くかを確認します。急性変化ならAKIの評価が先です |
| 腎機能が悪ければ水分を増やします | 水分不足と水分過剰のどちらもありえます。心臓・呼吸・むくみ・血圧を確認し、指示された量を守ります |
| 透析はBUNやCrの数字で決まります | 数字だけでなく、呼吸、水分、K、酸性度、尿毒症症状、治療への反応を総合して決めます |
この章の要点患者への説明例:
「この3つは、腎臓を違う角度から見ている検査です。今日の数字だけでなく、普段からの変化、尿の量、むくみや血圧、薬の影響も合わせて判断します。今は以前の結果と比べ、必要な再検査や治療を医師と確認しています」
まとめ:検査値を「患者の時間軸」に戻す
この章の要点BUN・Cr・eGFRを安全に読む要点は、次の5つです。
- BUNは腎排泄だけでなく、産生と再吸収、体液量の影響を受ける。
- Crは筋肉量と薬剤の影響を受け、基準範囲内でも急な上昇は重要である。
- eGFRは成人の安定状態で使う推算値であり、急性変化時の実測値や百分率ではない。
- AKIは短時間のCr変化と尿量、CKDは3か月を超える持続性と尿所見で考える。
- 前値、変化速度、尿量、体液量、尿所見、電解質、薬剤をそろえて報告する。
検査票の数字を読んだら、必ず「この患者の、いつからの、どんな変化か」に戻りましょう。そこから必要な観察、緊急性の判断、チームへの報告が一本につながります。
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この記事の編集方針
主要な定義・数値・推奨は、公開時点で確認できるガイドライン、公的資料、学会資料、査読論文を優先して確認しています。未確認の編集メモは公開せず、根拠の範囲や限界を区別して、読者が原資料を確認できるよう参考資料を掲載します。
詳しい編集方針を見る →参考にした資料
- CKD診療ガイド2024一般社団法人 日本腎臓学会・2024年主としてかかりつけ医・医療スタッフ向けの実践資料。CKDの定義、日本人成人のJSN eGFRcr式、18歳以上という適用範囲、GFR区分、筋肉量が標準と異なる場合の限界、シスタチンC・実測GFR・CCrの使い分けを確認した。実践ガイドであり、各記述に一律の推奨グレードが付された資料ではない。
- エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023一般社団法人 日本腎臓学会・2023年すべての重症度のCKD患者を対象とし、維持透析患者とAKI患者は除外している。CKD診断基準、GFR区分、原疾患・GFR・蛋白尿またはアルブミン尿を組み合わせた重症度評価を確認した。Mindsの方法に基づく診療ガイドライン。
- KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney DiseaseKidney Disease: Improving Global Outcomes・2024年成人のCKDリスク評価ではeGFRcrを使用し、シスタチンCが利用可能ならCrとシスタチンCを組み合わせたeGFRcr-cysでGFR区分を評価する推奨(1B)を確認した。低筋肉量、極端な体格、薬剤、非定常状態でのeGFR誤差、薬剤投与時の体表面積未補正eGFR、実測GFRの使い分けも確認した。国際的な成人・小児CKDを対象とするガイドライン。
残り6件の参考資料を見る原資料・発行元・発行年を確認できます+
- AKI(急性腎障害)診療ガイドライン2016日本腎臓学会、日本集中治療医学会、日本透析医学会、日本急性血液浄化学会、日本小児腎臓病学会・2016年48時間以内の血清Cr 0.3mg/dL以上上昇、7日以内の基礎値1.5倍以上への上昇、尿量0.5mL/kg/時以下が6時間以上持続というKDIGO AKI診断基準を確認した。KDIGO基準の使用は、死亡を評価した11件の観察研究をもとに提案されている。急性期にはCrと尿量を用い、原因と可逆的要因を評価することを確認した。
- Revised Equations for Estimated GFR From Serum Creatinine in JapanAmerican Journal of Kidney Diseases・2009年日本人入院患者413人で推算式を作成し、350人で検証した前向き横断的診断精度研究。イヌリンクリアランスを参照基準として、194×Cr^-1.094×年齢^-0.287×0.739(女性)の日本人向けeGFR式を作成した。参加者の多くがCKD患者で、一部にGFR変動例を含むことが限界として示されている。
- 共用基準範囲に基づく医学教育用基準範囲―解説書―日本臨床検査標準協議会 基準範囲共用化委員会・2019年JCCLS共用基準範囲として、BUN 8〜20mg/dL、Cr男性0.65〜1.07mg/dL、女性0.46〜0.79mg/dLを確認した。教育用の丸め値と臨床用共用基準範囲を併記した資料であり、教育用範囲は医療機関の結果報告への直接使用を想定していない。基準範囲は健常者の中央95%で、診断・治療の判断値とは異なると説明されている。
- 腎臓の検査(BUN・Cr)[ラボ NO.541(2024.2.発行)より]一般社団法人 日本臨床検査専門医会・2024年BUNが蛋白質由来の尿素窒素であること、Crが筋肉のクレアチンリン酸代謝に由来すること、両者が腎臓から排泄され腎機能評価に用いられることを確認した。一般向け専門医解説であり、診療ガイドラインや比較研究ではない。
- The meaning of the blood urea nitrogen/creatinine ratio in acute kidney injuryClinical Kidney Journal・2012年単一施設の入院患者2万126人を対象とした後ろ向き観察研究。AKI患者3,641人の約半数がBUN/Cr比20超だったが、20という閾値は腎前性AKIと急性尿細管壊死の区別を支持しなかった。単施設・後ろ向き研究であり、一般化には限界がある。