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目次この記事でわかること13項目+
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読む前に押さえたいこと
「好中球が多いから細菌感染?」「リンパ球の割合が高ければ、数も増えている?」と、血液像の読み方に迷うことはありませんか。血液像は、白血球の内訳と血球の形を調べ、感染や造血の変化を考えるための検査です。ただし、割合だけで病気や感染リスクは決まりません。白血球総数、各分画の絶対数、形態所見、患者の症状と経時変化を組み合わせることが大切です。この記事では成人の末梢血を中心に、白血球の種類と基準範囲、代表的な異常所見、看護での観察・報告の意味を順に整理します。小児・妊娠中の基準範囲や、骨髄像の詳しい分類は扱いません。
血液像は血球の「内訳」と「形」を調べる検査
この章の要点血液像では、白血球を種類ごとに分類する白血球分画と、血球の大きさ・核・色調などの形態を確認します。白血球の割合を示す検査結果と、顕微鏡で観察した形態所見を区別して読むことが基本です。
CBC(血算)は、白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビンなどを調べる検査です。血液像は、その数値に「どの細胞が増減しているか」「通常と異なる細胞や形があるか」という情報を加えます。CBCだけでは分からない変化を補うため、両者を合わせて読みます。
血球の多くは骨髄で作られ、成熟して末梢血へ出てきます。末梢血液像は血管内を流れる血液を調べ、骨髄像は血球を作る場にある細胞を調べます。末梢血の異常が造血の変化を考える手がかりになることはありますが、骨髄の状態をすべて示すわけではありません。[東北大学病院「血液検査室の紹介」](https://www.hosp.tohoku.ac.jp/departments/d3101/introduction/)
看護では、まず「白血球の割合を見ているのか、血球の形態所見を見ているのか」を確認します。そのうえで、同じ採血時点のCBC、治療歴、症状を組み合わせます。
白血球5種類の名前と役割を一覧で押さえる
この章の要点白血球の基本分類は、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球の5種類です。それぞれ役割が異なるため、白血球総数だけでなくどの分画が変化したかを確認します。
好中球や単球の「貪食」とは、細菌や異物などを細胞内に取り込んで処理する働きです。リンパ球は免疫反応を担う細胞群です。5分類のリンパ球数だけで、免疫のすべての働きを評価できるわけではありません。
下表は基本的な機能と、読む際の着眼点です。好酸球・好塩基球の顆粒の色は、染色した標本で観察する特徴です。[日本大学医学部附属板橋病院「白血球の種類と機能」](https://www.itabashi.med.nihon-u.ac.jp/division/clinical_laboratory/laboratories/blood_test)
好中球は、目視分類で桿状核球(Stab、band)と分葉核球(Seg)に分けて報告されることがあります。桿状核球は長く曲がった核を持ち、分葉核球は核が分かれた成熟した形です。自動分類でNeutに両者をまとめる報告もあるため、検査票の表示方法を確かめます。[血球形態標準化資料](https://jslh-cs.com/.assets/neutrocyte_st.pdf)、[LSIメディエンス「白血球像」](https://data.medience.co.jp/guide/guide-10020001.html)
好中球
- 英語名
- neutrophil
- 主な役割・特徴
- 細菌や異物を貪食し、感染防御に働く
- 読む際の着眼点
- 割合に加え、絶対数、左方移動、症状を確認する
リンパ球
- 英語名
- lymphocyte
- 主な役割・特徴
- 免疫反応を担う
- 読む際の着眼点
- 割合の上昇と実際の数の増加を区別する
単球
- 英語名
- monocyte
- 主な役割・特徴
- 活発に貪食し、炎症部位で異物の処理に働く
- 読む際の着眼点
- 他分画や形態所見と合わせて読む
好酸球
- 英語名
- eosinophil
- 主な役割・特徴
- オレンジ色の顆粒を持ち、アレルギー疾患や寄生虫症などで増加する
- 読む際の着眼点
- アレルギー歴、皮疹、服薬歴などを確認する
好塩基球
- 英語名
- basophil
- 主な役割・特徴
- 濃い藍色の顆粒を持ち、アレルギー疾患や慢性骨髄性白血病などで増加する
- 読む際の着眼点
- 増加の持続、他分画、幼若細胞の有無を確認する
| 種類 | 英語名 | 主な役割・特徴 | 読む際の着眼点 |
|---|---|---|---|
| 好中球 | neutrophil | 細菌や異物を貪食し、感染防御に働く | 割合に加え、絶対数、左方移動、症状を確認する |
| リンパ球 | lymphocyte | 免疫反応を担う | 割合の上昇と実際の数の増加を区別する |
| 単球 | monocyte | 活発に貪食し、炎症部位で異物の処理に働く | 他分画や形態所見と合わせて読む |
| 好酸球 | eosinophil | オレンジ色の顆粒を持ち、アレルギー疾患や寄生虫症などで増加する | アレルギー歴、皮疹、服薬歴などを確認する |
| 好塩基球 | basophil | 濃い藍色の顆粒を持ち、アレルギー疾患や慢性骨髄性白血病などで増加する | 増加の持続、他分画、幼若細胞の有無を確認する |
成人の基準範囲は、目視分類か自動分類かを確かめる
この章の要点血液像の基準範囲は、検査方法と対象集団を確かめて使います。下表は、日本臨床衛生検査技師会・日本検査血液学会の2015年資料に示された、成人の白血球目視分類の共用基準範囲です。
この範囲は、18~67歳の健常者を募集し、妊娠中・分娩後1年以内などの条件を除外して設定されています。EDTA加血液から作製した染色塗抹標本で白血球を分類した値であり、単位は割合の「%」です。絶対数の基準範囲ではありません。自動分類、小児、妊娠中の人、研究対象年齢を超える人に一律に転用する表ではありません。[血球形態標準化ワーキンググループの原資料](https://jslh-cs.com/.assets/neutrocyte_st.pdf)
基準範囲は、一定の条件で選ばれた健常者の測定値分布を示す目安です。範囲外なら病気、範囲内なら病気がない、と区切る値ではありません。診断や治療の必要性を判断する値とは目的が異なります。[日本臨床検査医学会「基準範囲・臨床判断値」](https://www.jslm.org/books/guideline/2024/GL2024_04.pdf)
実際の患者の結果を読むときは、検査票に記載された方法・基準範囲を確認します。また、桿状核球と分葉核球の下限・上限を足し合わせて、総好中球の基準範囲を新しく作ることはできません。それぞれの分画について設定された範囲だからです。
好中球桿状核球
- 成人の共用基準範囲(%)
- 0.5~6.5
好中球分葉核球
- 成人の共用基準範囲(%)
- 38.0~74.0
リンパ球
- 成人の共用基準範囲(%)
- 16.5~49.5
単球
- 成人の共用基準範囲(%)
- 2.0~10.0
好酸球
- 成人の共用基準範囲(%)
- 0.0~8.5
好塩基球
- 成人の共用基準範囲(%)
- 0.0~2.5
| 目視分類の項目 | 成人の共用基準範囲(%) |
|---|---|
| 好中球桿状核球 | 0.5~6.5 |
| 好中球分葉核球 | 38.0~74.0 |
| リンパ球 | 16.5~49.5 |
| 単球 | 2.0~10.0 |
| 好酸球 | 0.0~8.5 |
| 好塩基球 | 0.0~2.5 |
割合だけでは増減を判断できない:絶対数の求め方
この章の要点分画の割合が同じでも、白血球総数が違えば、その種類の細胞数は違います。感染リスクなどを考えるときは、割合に加えて絶対数を確認します。
割合は、白血球全体のうち、その種類が占める比率です。他の分画が減れば、リンパ球の数が増えていなくてもリンパ球の割合が上がることがあります。「割合が高い」と「細胞数が多い」は別の情報です。
好中球絶対数は、ANC(absolute neutrophil count)と呼ばれます。同じ採血時点の白血球数と好中球の割合から、次のように求めます。
好中球絶対数(/µL)=白血球数(/µL)×好中球割合(%)÷100
目視分類でStabとSegが別々に報告されていれば、好中球割合として両者の合計を用います。ただし、Neutにすでに両者が含まれる報告では、NeutにStabやSegを追加しません。二重加算を避けるため、検査室の報告定義を確認します。[LSIメディエンスの報告方法](https://data.medience.co.jp/guide/guide-10020001.html)
検査票に絶対数が表示されている場合は、その値と単位を確認します。1×10⁹/Lは1,000/µLに相当し、1µLは1mm³と同じ体積です。単位をそろえずに数値だけを比較しないようにします。
下表は架空の学習例です。好中球60%という割合が同じでも、絶対数は異なります。これだけで診断や治療の要否は決まりませんが、割合だけでは捉えられない違いが分かります。
A
- 白血球数(/µL)
- 6,000
- 好中球割合
- 60%
- 好中球絶対数(/µL)
- 3,600
B
- 白血球数(/µL)
- 1,000
- 好中球割合
- 60%
- 好中球絶対数(/µL)
- 600
| 架空の学習例 | 白血球数(/µL) | 好中球割合 | 好中球絶対数(/µL) |
|---|---|---|---|
| A | 6,000 | 60% | 3,600 |
| B | 1,000 | 60% | 600 |
白血球の増減は、感染・薬剤・造血の変化を組み合わせて考える
この章の要点白血球の増減には複数の原因があるため、分画だけから病名を決めることはできません。治療・服薬歴と経時変化を加えると、結果の意味を考えやすくなります。
細菌感染では好中球増加や左方移動がみられることがあります。ウイルス感染ではリンパ球の割合が上がることがありますが、白血球総数は減る場合もあります。また、高齢者の細菌性肺炎などでは、白血球が明らかに増加しないことがあります。「好中球優位なら細菌」「リンパ球優位ならウイルス」と一対一に結び付けないことが大切です。[LSIメディエンス「白血球像」の臨床的意義](https://data.medience.co.jp/guide/guide-10020001.html)
がん薬物療法などによる骨髄抑制では、血球を作る力が低下して好中球が減少します。検査結果を読むときは、治療前から低いのか、治療後に下がっているのかを区別します。減少・回復の時期は治療内容によって異なるため、一定の日数をすべての患者に当てはめません。[国立がん研究センター「感染しやすい・白血球減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/FN/index.html)
ステロイド使用中は、好中球増加の意味が変わる
ステロイドは、血管壁付近にいた好中球を循環血中へ移す作用などによって、測定される好中球数を増やすことがあります。一方、リンパ球や好酸球などは減少し得ます。したがって、好中球が増えたことを「感染だけが原因」「感染防御が強くなった」と判断できません。薬剤の開始・変更時期を確認し、感染症状の評価を続けます。[ステロイドと白血球への作用をまとめた査読総説](https://www.wjgnet.com/2307-8960/full/v10/i21/7187.htm)
好酸球増多は、皮膚症状と服薬歴も確認する
左方移動・異型リンパ球・芽球は、意味を分けて読む
この章の要点「若い細胞」「異型細胞」という表現は、同じ意味ではありません。成熟の段階と反応性の変化を区別すると、検査コメントを読みやすくなります。
左方移動は、桿状核球など、成熟途中の好中球系細胞の割合が増える変化です。感染に伴う反応としてみられることがありますが、左方移動だけで病原体や重症度は確定できません。桿状核球は基準範囲にも含まれるため、検出されたという事実だけを異常としません。[目視分類の標準化資料](https://jslh-cs.com/.assets/neutrocyte_st.pdf)、[白血球像の臨床的意義](https://data.medience.co.jp/guide/guide-10020001.html)
芽球は、より早い段階の未熟な細胞です。末梢血で芽球や異常細胞が新たに報告された場合は、担当医へ速やかに共有し、検査室の所見と追加評価を確認します。白血球数が高いか低いかにかかわらず、形態所見を読み落とさないことが重要です。
異型リンパ球は、ウイルス感染などの反応で出現することもあり、「異型」という名前だけで悪性と決めることはできません。薬剤性反応も鑑別に含まれます。[厚生労働省の薬剤性過敏症症候群マニュアル](https://www.pmda.go.jp/files/000146073.pdf)
下表の中毒性顆粒、デーレ小体、過分葉は、形態の手がかりです。これらも単独で病名を決める所見ではありません。[Clinical Methods「Peripheral Blood Smear」](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK263/?report=classic)
左方移動
- 何を表すか
- 桿状核球など成熟途中の好中球系細胞が増える
- 読み方
- 白血球数、絶対数、感染症状と合わせる
幼若顆粒球
- 何を表すか
- 骨髄球・後骨髄球などの成熟途中の細胞
- 読み方
- 芽球と区別し、検査コメントを確認する
芽球
- 何を表すか
- 早い段階の未熟な細胞
- 読み方
- 新規所見は担当医と検査室へ共有し、追加評価につなげる
異型リンパ球
- 何を表すか
- 通常と異なる形を示すリンパ球
- 読み方
- 感染、薬剤性反応、腫瘍性変化などを区別する評価が必要
中毒性顆粒・デーレ小体
- 何を表すか
- 好中球の顆粒・細胞質の変化
- 読み方
- 感染などでみられるが非特異的
過分葉好中球
- 何を表すか
- 核の分葉が多い好中球
- 読み方
- ビタミンB12・葉酸不足などの手がかり。ほかの病態もある
| 所見 | 何を表すか | 読み方 |
|---|---|---|
| 左方移動 | 桿状核球など成熟途中の好中球系細胞が増える | 白血球数、絶対数、感染症状と合わせる |
| 幼若顆粒球 | 骨髄球・後骨髄球などの成熟途中の細胞 | 芽球と区別し、検査コメントを確認する |
| 芽球 | 早い段階の未熟な細胞 | 新規所見は担当医と検査室へ共有し、追加評価につなげる |
| 異型リンパ球 | 通常と異なる形を示すリンパ球 | 感染、薬剤性反応、腫瘍性変化などを区別する評価が必要 |
| 中毒性顆粒・デーレ小体 | 好中球の顆粒・細胞質の変化 | 感染などでみられるが非特異的 |
| 過分葉好中球 | 核の分葉が多い好中球 | ビタミンB12・葉酸不足などの手がかり。ほかの病態もある |
赤血球・血小板の形態所見は、CBCと合わせて読む
この章の要点血液像では、白血球以外にも重要な所見が得られます。赤血球や血小板の形は、数値の異常が起こる背景を考える手がかりになります。
赤血球では大きさや色調、血小板では大きさや凝集などを見ます。ただし、赤血球の形だけで貧血の重症度は分かりません。酸素を運ぶヘモグロビン(Hb)の量と症状を合わせて評価します。血小板も、形態だけで止血能力を判断せず、数値と実際の出血を確認します。[国立がん研究センター「貧血」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/anemia/index.html)、[「出血しやすい・血小板減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/thrombocytopenia/index.html)
下表は代表的な所見であり、すべての血球形態を網羅するものではありません。基本的な形態の意味は[Clinical Methodsの血液塗抹標本の章](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK263/?report=classic)、破砕赤血球は[日本検査血液学会の標準化案](https://jslh-cs.com/.assets/JSLH-schistocyte-Ver1.1.pdf)に基づいて整理しています。
破砕赤血球と血小板減少が重なる場合
破砕赤血球は、循環中に物理的な損傷を受けた赤血球です。血栓性微小血管症(TMA)などの評価に重要ですが、それだけに特有の所見ではありません。溶血、つまり赤血球が通常より早く壊れる状態を示す検査や、血小板数、臓器の状態と合わせて考えます。
例えば血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)では、血管内で血小板が集まって血栓を作り、血小板減少と血流障害による症状が起こります。破砕赤血球や血小板減少に、黄疸、尿量減少、急な意識・神経症状が重なる場合は、
自動分類と目視分類の違い、検体の影響を確認する
この章の要点自動分類は細胞の特徴から白血球を分類し、目視分類は塗抹標本を観察します。両者は役割が異なり、機械の分類結果と形態所見を合わせることが大切です。
自動分析装置で分類されても、異常細胞や細かな形態の評価には塗抹標本の確認が必要になることがあります。また、表面マーカーなどを調べる検査や骨髄検査は、形態だけでは判断できない細胞の性質を詳しく調べるために行われます。[東北大学病院の血液検査室紹介](https://www.hosp.tohoku.ac.jp/departments/d3101/introduction/)
検体は採血後も変化します。採血から測定までの時間や保存環境は測定値に影響し、形態も変化し得ます。施設の検査室が定める条件を確認し、一般的な記事の時間・温度をそのまま搬送手順に置き換えないようにします。[日本臨床検査医学会「検体の保存安定性」](https://www.jslm.org/books/guideline/2024/GL2024_06.pdf)、[破砕赤血球標準化案の検体取り扱い](https://jslh-cs.com/.assets/JSLH-schistocyte-Ver1.1.pdf)
前回値や患者の状態と大きく食い違う結果では、患者・採血時刻・検査方法・単位を確認し、検査室へ検体の状態や形態コメントを照会します。血小板の急な低値なら、検体内凝集の確認も必要です。[東名古屋病院の血小板測定の説明](https://higashinagoya.hosp.go.jp/section/platelet-count.html)
ただし、出血や全身状態の悪化がある患者では、検体の確認と臨床評価を並行して進めます。再検査の結果を待つことを、状態悪化への対応を遅らせる理由にしません。
観察は、感染・貧血・出血と全身状態を結び付ける
この章の要点看護での観察は、血液像の異常に対応する症状を探し、普段との違いと変化の速さを捉えるために行います。検査値だけでなく、患者がいつから、どのように変わったかを確認します。
好中球が減ると、外から入る病原体だけでなく、通常は問題を起こさない常在菌による感染にも注意が必要です。そのため、体温だけでなく、口腔、呼吸器、皮膚、尿路、消化管などの変化を確認します。[国立がん研究センター東病院「感染症について」](https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/pharmacy/kouganzai/kouganzai_qa_Specifics/supportivecare_infection.html)
Hbの減少では酸素運搬が低下し、動悸、息切れ、めまい、倦怠感などが現れ得ます。症状は減少の速さにも影響されるため、同じHbでも患者の負担は同じとは限りません。血小板減少では、点状出血や粘膜出血、尿・便の血液などを確認します。[がん情報サービス「貧血」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/anemia/index.html)、[「出血しやすい・血小板減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/thrombocytopenia/index.html)
感染が疑われる状況で、新たな意識変化、呼吸の変化、血圧低下などがあれば、臓器機能の悪化を考える情報になります。一つの検査値やスコアだけで除外せず、全身状態の変化として担当医へ速やかに伝えます。[日本版敗血症診療ガイドライン2024](https://www.jsicm.org/pdf/cq/J-SSCG2024/J-SSCG2024_Main.pdf)
発熱、悪寒、咳、排尿痛、口腔・皮膚の変化
- なぜ見るか・変化の意味
- 好中球減少時の感染を考える手がかり
- 合わせる情報と報告後の再確認
- 好中球絶対数、治療時期、症状の開始時刻。報告後も体温と全身状態を追う
呼吸数・呼吸の苦しさ、意識、血圧
- なぜ見るか・変化の意味
- 感染などに伴う全身状態の悪化を捉える
- 合わせる情報と報告後の再確認
- 普段との差、酸素投与の状況、他のバイタル。悪化時は速やかに再報告
動悸、息切れ、めまい、活動時の疲労
- なぜ見るか・変化の意味
- 酸素運搬の低下と生活への影響を捉える
- 合わせる情報と報告後の再確認
- Hbの推移、出血の有無、安静時と活動時の差。移動時の症状も再確認
点状出血、粘膜出血、血尿・血便
- なぜ見るか・変化の意味
- 止血の問題を捉える
- 合わせる情報と報告後の再確認
- 血小板数の推移、出血部位・量・持続、抗凝固薬等。新規出血や増悪を再報告
皮疹・発熱と好酸球増多、異型リンパ球
- なぜ見るか・変化の意味
- 薬剤性反応を考える組合せ
- 合わせる情報と報告後の再確認
- 薬剤名・開始日、皮疹の拡大、肝腎機能。医師・薬剤師へ共有し経過を追う
黄疸、尿量減少、急な意識・神経症状と血小板減少等
- なぜ見るか・変化の意味
- 血球の異常に臓器障害が重なる可能性
- 合わせる情報と報告後の再確認
- 形態所見、血小板・Hbの変化、発症時刻。直ちに担当医へ伝え、全身状態を再評価
| 観察すること | なぜ見るか・変化の意味 | 合わせる情報と報告後の再確認 |
|---|---|---|
| 発熱、悪寒、咳、排尿痛、口腔・皮膚の変化 | 好中球減少時の感染を考える手がかり | 好中球絶対数、治療時期、症状の開始時刻。報告後も体温と全身状態を追う |
| 呼吸数・呼吸の苦しさ、意識、血圧 | 感染などに伴う全身状態の悪化を捉える | 普段との差、酸素投与の状況、他のバイタル。悪化時は速やかに再報告 |
| 動悸、息切れ、めまい、活動時の疲労 | 酸素運搬の低下と生活への影響を捉える | Hbの推移、出血の有無、安静時と活動時の差。移動時の症状も再確認 |
| 点状出血、粘膜出血、血尿・血便 | 止血の問題を捉える | 血小板数の推移、出血部位・量・持続、抗凝固薬等。新規出血や増悪を再報告 |
| 皮疹・発熱と好酸球増多、異型リンパ球 | 薬剤性反応を考える組合せ | 薬剤名・開始日、皮疹の拡大、肝腎機能。医師・薬剤師へ共有し経過を追う |
| 黄疸、尿量減少、急な意識・神経症状と血小板減少等 | 血球の異常に臓器障害が重なる可能性 | 形態所見、血小板・Hbの変化、発症時刻。直ちに担当医へ伝え、全身状態を再評価 |
好中球減少時の発熱はFNを考え、迅速に報告する
この章の要点がん薬物療法に伴う好中球減少時の発熱は、発熱性好中球減少症(FN)を考え、迅速な評価につなげます。発熱を単なる治療後の症状として経過観察し続けないことが重要です。
日本乳癌学会の2022年版では、早期乳癌の薬物療法に関する説明として、次の条件を示しています。
- 好中球絶対数が500/µL未満、または1,000/µL未満で48時間以内に500/µL未満へ減少すると予測される。
- 腋窩温37.5℃以上の発熱がある。
これはFNの定義であり、成人健常者の基準範囲や、すべての患者に共通する報告閾値ではありません。好中球数の条件と迅速な対応の必要性は、国立がん研究センターのFN説明とも照合できます。[日本乳癌学会「FNの対策」](https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/s/s3/)、[がん情報サービス「感染しやすい・白血球減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/FN/index.html)
看護では、測定部位を含む体温、採血時刻と好中球絶対数、直近の治療、悪寒や呼吸器・尿路・皮膚などの症状を担当医へ速やかに伝えます。絶対数が未報告でも、好中球減少が予想される治療中の発熱について、計算や再採血の結果がそろうまで連絡を待つ必要はありません。
また、高熱がないことだけで重い感染を否定できません。呼吸・意識・循環の変化があれば、体温や白血球数だけに判断を限定せず、状態悪化を優先して共有します。[日本版敗血症診療ガイドライン2024の早期認識に関する説明](https://www.jsicm.org/pdf/cq/J-SSCG2024/J-SSCG2024_Main.pdf)
外来治療では、患者が実際に使う体温測定方法、連絡条件、時間外の連絡先を治療施設と確認しておくことが大切です。
報告は、数値・変化・症状・治療背景をセットにする
この章の要点検査結果を報告するときは、異常値だけでなく、前回からの変化と患者の状態を伝えます。これは、基準範囲からの逸脱と、臨床的に対応が必要な状況を区別するためです。[日本臨床検査医学会「基準範囲・臨床判断値」](https://www.jslm.org/books/guideline/2024/GL2024_04.pdf)
担当医へ伝える情報は、次の順にまとめると状況を共有しやすくなります。
- 何が起きているか:発熱、出血、呼吸苦、意識変化などと、その開始時刻。
- 検査結果:採血時刻、白血球数、該当分画の割合と絶対数、Hb、血小板数、形態コメント。
- 変化:前回値、減少・増加の速さ、症状の進行。
- 背景:治療日、薬剤の開始・変更、感染や出血に関係する既往・併用薬。
血小板減少では、抗凝固薬や抗血小板薬などの使用も出血評価に関係します。薬剤性反応が疑われる場合は、担当医と薬剤師へ薬剤名・開始時期・症状を共有します。[がん情報サービス「血小板減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/thrombocytopenia/index.html)、[薬剤性過敏症症候群マニュアル](https://www.pmda.go.jp/files/000146073.pdf)
検査方法、単位、凝集、異常細胞のコメントなどが不明な場合は検査室へ確認します。ただし、呼吸・意識・循環などの悪化がある患者では、必要な情報収集と緊急の臨床評価を並行させます。[日本版敗血症診療ガイドライン2024](https://www.jsicm.org/pdf/cq/J-SSCG2024/J-SSCG2024_Main.pdf)
報告後は、指示や評価方針を確認し、症状と検査値の再評価につなげます。再採血が予定されていても、新たな出血、呼吸苦、意識変化などが生じた場合は、予定時刻を待たずに再報告します。
治療は原因とリスクに応じて選ばれ、症状と検査値で再評価する
この章の要点血液像の異常を見つけた後の治療は、異常の原因と臨床的なリスクに応じて選ばれます。分画の割合を基準範囲へ戻すことだけが目的ではありません。
FNが疑われる場合は、感染と重症化リスクを評価し、抗菌薬治療などにつなげます。G-CSFは好中球の産生を促す薬剤ですが、好中球が少ない人全員へ一律に使うものではありません。治療内容やFNのリスクなどを踏まえて選択されます。[日本乳癌学会「FNの対策」](https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/s/s3/)、[国立がん研究センターの治療の説明](https://ganjoho.jp/public/support/condition/FN/index.html)
貧血では原因への治療と、必要に応じた症状改善のための輸血などが検討されます。血小板減少も、原因、出血、治療背景を踏まえて対応が決まります。Hbや血小板数を一つの数値だけで見て、輸血や薬剤変更を一律に決めることはできません。[がん情報サービス「貧血」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/anemia/index.html)、[「出血しやすい・血小板減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/thrombocytopenia/index.html)
看護では、治療開始後に症状が軽くなったか、新たな症状が出たか、血球数がどのように推移しているかを確認します。数値が改善しても患者の状態が悪化していれば再評価が必要です。反対に、症状が乏しくても血球数の低下が続いていれば、その経過を共有します。
再採血や観察の間隔は、病態と治療方針に合わせて確認します。数値と症状の両方を追うことで、治療への反応と新しい問題を捉えます。
患者には、検査の意味と連絡が必要な変化を説明する
この章の要点患者への説明では、検査名や割合だけでなく、何を確かめる検査かとどんな変化を知らせてほしいかを結び付けます。「白血球が低いから免疫がない」といった、結果以上に強い表現は避けます。
例えば、白血球分画は「白血球の内訳を調べる検査」、好中球絶対数は「感染防御に関わる好中球が、一定量の血液にどれだけあるかを示す値」と説明できます。割合が基準範囲内でも、白血球総数によって実際の数は変わることを補足すると、結果の意味が伝わりやすくなります。
がん治療中の好中球減少がある患者には、施設と確認した発熱時の連絡条件に加え、悪寒、咳、排尿痛、口内や皮膚の変化なども知らせてほしいことを説明します。手洗い、口腔を傷つけない清潔ケア、皮膚の保護などを、感染の入り口を減らす目的と結び付けます。[国立がん研究センター東病院の感染症状・予防の説明](https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/division/pharmacy/kouganzai/kouganzai_qa_Specifics/supportivecare_infection.html)
退院・外来の場面では、連絡先、時間外の対応、本人が理解した測定方法を確認します。患者の言葉で説明し直してもらうと、「どの症状なら、どこへ連絡するか」が伝わっているかを確かめられます。[がん情報サービス「感染しやすい・白血球減少」](https://ganjoho.jp/public/support/condition/FN/index.html)
学習を深めるときは、まず[基準範囲と臨床判断値の考え方](https://www.jslm.org/books/guideline/2024/GL2024_04.pdf)、次に[白血球目視分類の原資料](https://jslh-cs.com/.assets/neutrocyte_st.pdf)へ進むと、一覧の数値をどの条件で使うか確認できます。
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この記事の編集方針
主要な定義・数値・推奨は、公開時点で確認できるガイドライン、公的資料、学会資料、査読論文を優先して確認しています。未確認の編集メモは公開せず、根拠の範囲や限界を区別して、読者が原資料を確認できるよう参考資料を掲載します。
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- 各検査室紹介(血液検査室)東北大学病院血液検査室の血球算定・血液像・骨髄像・フローサイトメトリーの説明を確認。検査の目的、造血、末梢血と骨髄の違い、機械と目視の役割。見出し1・8。原資料を開く
- 血液検査室日本大学医学部附属板橋病院形態検査「顕微鏡で見た白血球の種類と機能」を確認。白血球5種類の機能、好酸球・好塩基球の顆粒、関連する病態。施設固有の報告時間は採用していない。見出し2・5。原資料を開く
- 血液形態検査における標準化の普及に向けて日本臨床衛生検査技師会・日本検査血液学会 血球形態標準化ワーキンググループ・2015PDF1ページの目視分類共用基準範囲、桿状核球・分葉核球の分類、対象18~67歳、除外基準、採血・分類条件を確認。各割合は絶対数の基準ではない。見出し2・3・6・13。原資料を開く
残り15件の参考資料を見る原資料・発行元・発行年を確認できます+
- 臨床検査のガイドライン JSLM2024「基準範囲・臨床判断値」日本臨床検査医学会・2024A「基準範囲の定義」と基準範囲・臨床判断値の比較を確認。健常者分布と診断・治療等の判断値は目的が異なる。見出し3・11・13。原資料を開く
- 白血球像|WEB総合検査案内株式会社LSIメディエンス2026年10月1日時点と表示された検査案内。発行・改訂年は不明。報告欄と臨床的意義を確認。NeutとStab・Seg、感染時の分画、左方移動、芽球と追加検査。見出し2・4・5・6。原資料を開く
- Effects of glucocorticoids on leukocytes: Genomic and non-genomic mechanismsBaishideng Publishing Group Inc.・2022World Journal of Clinical Cases 10(21):7187–7194。本文の好中球数への作用、他分画への作用、結論を確認。ヒト・動物・細胞研究を扱う総説。特定患者の原因判定や投与指示には用いていない。見出し5。原資料を開く