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読む前に押さえたいこと
新NISAを始めようとしても、証券会社の画面には似た名前の投資信託やETFが並び、「オルカンとS&P500はどちらがよいのか」「成長投資枠も使うべきか」と迷いやすいものです。夜勤や実習で調べる時間が限られる看護学生・看護師なら、人気順を追うより、選ぶ順番を決めるほうが判断しやすくなります。この記事では、2026年9月時点の公式な対象商品一覧を示し、商品の違い、候補の絞り方、購入前後の確認点を基礎から説明します。
最初に押さえる結論:銘柄名より「いつ使うお金か」を先に決める
この章の要点新NISAの初心者は、人気銘柄を探す前に、使う時期と値下がりしたときに保有を続けられる金額を決めます。そのうえで、長期・積立・分散を実行しやすい商品へ候補を絞るのが基本です。
NISAは投資から得た売却益や配当・分配金を非課税にする制度であり、利益を保証する商品名ではありません。株式や投資信託には元本割れがあり、NISAを使っても値下がりは防げません。[金融庁の資料](https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/slide_202406.pdf)も、長期・積立・分散をリスク軽減を図る有効な選択肢の一つとしつつ、元本割れの可能性を明記しています。
商品を自分で分析する時間や経験がまだ少ない場合は、金融庁の基準を満たすつみたて投資枠の商品から、広く分散された低コストのインデックスファンド、または株式と債券などを組み合わせたバランスファンドを比較すると、選択肢を整理しやすくなります。ただし、全世界株式型でも株式100%なら大きく値下がりする局面があり、バランス型も元本保証ではありません。分散は損失をなくす仕組みではないことが前提です。
年間投資枠
- つみたて投資枠
- 120万円
- 成長投資枠
- 240万円
主な対象商品
- つみたて投資枠
- 一定の投資信託、ETF
- 成長投資枠
- 上場株式、ETF、REIT、一定の投資信託など
個別株
- つみたて投資枠
- 対象外
- 成長投資枠
- 一定の銘柄が対象
購入方法
- つみたて投資枠
- 定期・継続的な積立
- 成長投資枠
- 積立、一括購入など
非課税保有期間
- つみたて投資枠
- 無期限
- 成長投資枠
- 無期限
非課税保有限度額
- つみたて投資枠
- 両枠合計1,800万円
- 成長投資枠
- 1,800万円のうち最大1,200万円
主な公式確認先
- つみたて投資枠
- 金融庁
- 成長投資枠
- 資産運用業協会、日本取引所グループ、利用する証券会社
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 主な対象商品 | 一定の投資信託、ETF | 上場株式、ETF、REIT、一定の投資信託など |
| 個別株 | 対象外 | 一定の銘柄が対象 |
| 購入方法 | 定期・継続的な積立 | 積立、一括購入など |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| 非課税保有限度額 | 両枠合計1,800万円 | 1,800万円のうち最大1,200万円 |
| 主な公式確認先 | 金融庁 | 資産運用業協会、日本取引所グループ、利用する証券会社 |
新NISAの2つの枠は、投資方法と対象商品の広さが異なる
この章の要点つみたて投資枠は一定の投資信託・ETFを定期的に買う枠、成長投資枠は上場株式や幅広い投資信託なども買える枠です。2つは同じ年に併用できますが、どちらか一方だけを使っても構いません。
利用できるのは、原則として利用年の1月1日時点で18歳以上の日本居住者等です。非課税保有期間は無期限で、制度は恒久化されています。1人につき1口座で、2つの枠を別々の金融機関に分けることはできません。
年間投資枠
- つみたて投資枠
- 120万円
- 成長投資枠
- 240万円
非課税保有限度額
- つみたて投資枠
- 2枠合計で1,800万円
- 成長投資枠
- 合計1,800万円の内数として1,200万円まで
主な対象
- つみたて投資枠
- 長期の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託・ETF
- 成長投資枠
- 上場株式、ETF、REIT、一定の株式投資信託、ETNなど
買い方
- つみたて投資枠
- 累積投資契約による定期・継続購入
- 成長投資枠
- 積立でも一括でも可
主な除外
- つみたて投資枠
- 個別株、REIT、公社債、公社債投資信託など
- 成長投資枠
- 監理・整理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、ヘッジ目的以外でデリバティブを用いる一定の投資信託など
| 比較項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 2枠合計で1,800万円 | 合計1,800万円の内数として1,200万円まで |
| 主な対象 | 長期の積立・分散投資に適した一定の公募株式投資信託・ETF | 上場株式、ETF、REIT、一定の株式投資信託、ETNなど |
| 買い方 | 累積投資契約による定期・継続購入 | 積立でも一括でも可 |
| 主な除外 | 個別株、REIT、公社債、公社債投資信託など | 監理・整理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、ヘッジ目的以外でデリバティブを用いる一定の投資信託など |
新NISAの全銘柄は、枠と商品種類に応じて公式一覧を使い分ける
この章の要点新NISAには、国内外の全商品を一つにまとめた固定の「全銘柄リスト」はありません。つみたて投資枠は金融庁、成長投資枠の国内籍ファンド等は資産運用業協会、一部の上場商品はJPX、実際の取扱いは口座を置く金融機関で確認します。
2026年9月14日の調査時点で確認した公式一覧は次のとおりです。掲載されていても取扱開始日前の場合があり、同じ対象商品でも金融機関が取り扱っていなければ購入できません。銀行・郵便局等で扱うのは株式投資信託で、上場株式やETF、REITを買うにはそれらを扱う証券会社が必要です。申込みの直前に金融機関の検索画面で「NISA対象」と表示されるかを再確認します。
つみたて投資枠の投資信託・ETF
- 公式の確認先
- [金融庁「つみたて投資枠対象商品」](https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/)
- 確認時点の掲載状況
- 2026年9月7日時点で368本。指定インデックス投信287本、指定インデックス以外72本、ETF9本
- 読み方の注意
- 金融庁の対象でも全金融機関が扱うとは限らない
成長投資枠の国内籍非上場ファンド
- 公式の確認先
- [資産運用業協会「NISA成長投資枠の対象商品」](https://www.imaj.or.jp/find/nisa_growth_productslist/)
- 確認時点の掲載状況
- 2026年9月11日更新Excelの対象商品一覧に2,349行
- 読み方の注意
- 9月14日より後の取扱開始予定13本を含む
成長投資枠の国内籍ETF・上場投資法人
- 公式の確認先
- 同上
- 確認時点の掲載状況
- 2026年8月28日更新Excelに421行(上場投信358、上場投資法人63)
- 読み方の注意
- 9月14日より後の取扱開始予定1本を含む
内国商品現物型ETF、外国ETF、ETN-JDR等
- 公式の確認先
- [JPX「銘柄一覧(ETF)」](https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/01.html)内の成長投資枠一覧
- 確認時点の掲載状況
- 2026年5月22日時点の専用Excelに28銘柄
- 読み方の注意
- JPX所管分だけの一覧で、他のETF・REIT等は資産運用業協会を見る
国内外の個別株
- 公式の確認先
- 各取引所の監理・整理銘柄情報と、利用する証券会社
- 確認時点の掲載状況
- 上場株式が基本だが監理・整理銘柄は除外
- 読み方の注意
- 外国株・単元未満株を含め、取扱範囲は証券会社ごとに異なる
| 確認したい商品 | 公式の確認先 | 確認時点の掲載状況 | 読み方の注意 |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠の投資信託・ETF | [金融庁「つみたて投資枠対象商品」](https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/) | 2026年9月7日時点で368本。指定インデックス投信287本、指定インデックス以外72本、ETF9本 | 金融庁の対象でも全金融機関が扱うとは限らない |
| 成長投資枠の国内籍非上場ファンド | [資産運用業協会「NISA成長投資枠の対象商品」](https://www.imaj.or.jp/find/nisa_growth_productslist/) | 2026年9月11日更新Excelの対象商品一覧に2,349行 | 9月14日より後の取扱開始予定13本を含む |
| 成長投資枠の国内籍ETF・上場投資法人 | 同上 | 2026年8月28日更新Excelに421行(上場投信358、上場投資法人63) | 9月14日より後の取扱開始予定1本を含む |
| 内国商品現物型ETF、外国ETF、ETN-JDR等 | [JPX「銘柄一覧(ETF)」](https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/01.html)内の成長投資枠一覧 | 2026年5月22日時点の専用Excelに28銘柄 | JPX所管分だけの一覧で、他のETF・REIT等は資産運用業協会を見る |
| 国内外の個別株 | 各取引所の監理・整理銘柄情報と、利用する証券会社 | 上場株式が基本だが監理・整理銘柄は除外 | 外国株・単元未満株を含め、取扱範囲は証券会社ごとに異なる |
対象商品の種類ごとに、値動きの理由と確認項目が違う
この章の要点初心者が候補を絞るには、商品名より先に「何へ投資する仕組みか」を見ます。同じNISA対象でも、投資信託、ETF、個別株、REIT、ETNでは、分散の程度、価格の決まり方、費用、固有のリスクが異なります。
非上場の投資信託
- 仕組みと主な特徴
- 多くの投資家の資金をまとめ、株式・債券・REITなどへ投資。基準価額は原則1日1回
- 主な値下がり要因
- 投資先市場、為替、金利、運用方針の失敗
- 初心者が確認する点
- 投資対象、ベンチマーク、資産配分、信託報酬、分配方針
ETF
- 仕組みと主な特徴
- 取引所に上場する投資信託。市場価格がリアルタイムで動く
- 主な値下がり要因
- 投資先の下落に加え、市場価格と基準価額のずれ、流動性
- 初心者が確認する点
- 売買単位、売買手数料、スプレッド、出来高、信託報酬
個別株
- 仕組みと主な特徴
- 1社の株主となり、値上がり益や配当を期待する
- 主な値下がり要因
- 業績悪化、不祥事、競争、財務悪化、倒産など会社固有の要因
- 初心者が確認する点
- 事業、財務、配当の持続性、1社への集中度。配当や優待は保証されない
REIT
- 仕組みと主な特徴
- 投資家の資金や借入金で不動産を保有し、賃料等を分配
- 主な値下がり要因
- 不動産市況、空室・賃料、金利、借入、災害、上場廃止
- 初心者が確認する点
- 物件用途・地域、稼働、借入、分配方針、複数物件への分散
外国株・外国ETF
- 仕組みと主な特徴
- 海外企業・海外市場へ直接またはETFで投資
- 主な値下がり要因
- 株価に加え、為替、国・制度、時差、現地課税
- 初心者が確認する点
- 取引通貨、為替手数料、現地税、注文時間、証券会社の取扱い
ETN
- 仕組みと主な特徴
- 発行金融機関が特定指数への連動を約束する上場証券。裏付け資産を持たない
- 主な値下がり要因
- 指数の下落に加え、発行体の信用悪化、流動性、償還
- 初心者が確認する点
- 発行体、満期・早期償還、管理費用、指数の仕組み
| 商品の種類 | 仕組みと主な特徴 | 主な値下がり要因 | 初心者が確認する点 |
|---|---|---|---|
| 非上場の投資信託 | 多くの投資家の資金をまとめ、株式・債券・REITなどへ投資。基準価額は原則1日1回 | 投資先市場、為替、金利、運用方針の失敗 | 投資対象、ベンチマーク、資産配分、信託報酬、分配方針 |
| ETF | 取引所に上場する投資信託。市場価格がリアルタイムで動く | 投資先の下落に加え、市場価格と基準価額のずれ、流動性 | 売買単位、売買手数料、スプレッド、出来高、信託報酬 |
| 個別株 | 1社の株主となり、値上がり益や配当を期待する | 業績悪化、不祥事、競争、財務悪化、倒産など会社固有の要因 | 事業、財務、配当の持続性、1社への集中度。配当や優待は保証されない |
| REIT | 投資家の資金や借入金で不動産を保有し、賃料等を分配 | 不動産市況、空室・賃料、金利、借入、災害、上場廃止 | 物件用途・地域、稼働、借入、分配方針、複数物件への分散 |
| 外国株・外国ETF | 海外企業・海外市場へ直接またはETFで投資 | 株価に加え、為替、国・制度、時差、現地課税 | 取引通貨、為替手数料、現地税、注文時間、証券会社の取扱い |
| ETN | 発行金融機関が特定指数への連動を約束する上場証券。裏付け資産を持たない | 指数の下落に加え、発行体の信用悪化、流動性、償還 | 発行体、満期・早期償還、管理費用、指数の仕組み |
つみたて投資枠368本は、投資先と運用方法で整理すると選びやすい
この章の要点つみたて投資枠の商品は、2026年9月7日時点で368本です。内訳は公募投信の株式型198本、資産複合型161本、ETF9本で、運用方法では金融庁指定の指数に連動する投資信託287本、指定指数以外の投資信託72本、ETF9本です。
似た名前を一つずつ比べる前に、投資先の範囲で分けます。以下の商品名は金融庁の同日付一覧にある例であり、推奨や順位ではありません。
国内株式型
- 主な投資先・指数の例
- TOPIX、日経平均、JPX日経400、読売333
- 公式一覧にある商品例
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)、楽天・プラス・日経225インデックス・ファンド
- 選ぶ前に理解する点
- 日本企業に集中し、世界分散ではない
全世界株式型
- 主な投資先・指数の例
- MSCI ACWI、FTSE Global All Cap
- 公式一覧にある商品例
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド
- 選ぶ前に理解する点
- 1本で地域分散しやすいが、株式100%なら価格変動は大きい
先進国株式型
- 主な投資先・指数の例
- MSCIコクサイ、FTSE Developed All Capなど
- 公式一覧にある商品例
- ニッセイ外国株式インデックスファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本)
- 選ぶ前に理解する点
- 日本や新興国を含むか、為替ヘッジの有無を確認
米国株式型
- 主な投資先・指数の例
- S&P500、CRSP U.S. Total Market
- 公式一覧にある商品例
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
- 選ぶ前に理解する点
- 成長期待だけでなく、米国一国・通貨への偏りを受け入れるか
新興国株式型
- 主な投資先・指数の例
- MSCI Emerging Markets、FTSE Emerging
- 公式一覧にある商品例
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、SBI・新興国株式インデックス・ファンド
- 選ぶ前に理解する点
- 政治・制度・通貨等の影響で値動きが大きくなり得る
バランス型
- 主な投資先・指数の例
- 国内外の株式・債券・REITを複数指数で組み合わせる
- 公式一覧にある商品例
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型)
- 選ぶ前に理解する点
- 株式比率、債券比率、REITの有無、配分の戻し方を確認
指定指数以外
- 主な投資先・指数の例
- アクティブ運用、金融庁の指定外指数、ラップ型など
- 公式一覧にある商品例
- ひふみプラス、iFreeNEXT NASDAQ100インデックス、セゾン・グローバルバランスファンド
- 選ぶ前に理解する点
- 「指定指数以外」はすべてアクティブとは限らない。費用と運用方針を個別確認
| 商品群 | 主な投資先・指数の例 | 公式一覧にある商品例 | 選ぶ前に理解する点 |
|---|---|---|---|
| 国内株式型 | TOPIX、日経平均、JPX日経400、読売333 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)、楽天・プラス・日経225インデックス・ファンド | 日本企業に集中し、世界分散ではない |
| 全世界株式型 | MSCI ACWI、FTSE Global All Cap | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | 1本で地域分散しやすいが、株式100%なら価格変動は大きい |
| 先進国株式型 | MSCIコクサイ、FTSE Developed All Capなど | ニッセイ外国株式インデックスファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス(除く日本) | 日本や新興国を含むか、為替ヘッジの有無を確認 |
| 米国株式型 | S&P500、CRSP U.S. Total Market | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、SBI・V・全米株式インデックス・ファンド | 成長期待だけでなく、米国一国・通貨への偏りを受け入れるか |
| 新興国株式型 | MSCI Emerging Markets、FTSE Emerging | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス、SBI・新興国株式インデックス・ファンド | 政治・制度・通貨等の影響で値動きが大きくなり得る |
| バランス型 | 国内外の株式・債券・REITを複数指数で組み合わせる | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)、楽天・インデックス・バランス・ファンド(均等型) | 株式比率、債券比率、REITの有無、配分の戻し方を確認 |
| 指定指数以外 | アクティブ運用、金融庁の指定外指数、ラップ型など | ひふみプラス、iFreeNEXT NASDAQ100インデックス、セゾン・グローバルバランスファンド | 「指定指数以外」はすべてアクティブとは限らない。費用と運用方針を個別確認 |
選び方の第1段階:生活に必要なお金を投資資金から分ける
この章の要点最初に決めるのは銘柄ではなく、投資してよい金額です。学費、家賃、奨学金返済、転居、受験・研修、急な休職など、近く使う可能性があるお金は預貯金などに分け、当面使わない資金だけを投資候補にします。
「生活費の何か月分」という一律の正解はありません。家族からの支援、雇用形態、夜勤手当の変動、扶養家族、保険、借入、予定される大きな支出で必要額が変わるからです。まず毎月の固定費と不定期支出を書き出し、収入が少ない月や予想外の支出があっても投資商品を慌てて売らずに済む現金を残します。
値下がりへの耐性は、「損をしたくない」という気持ちだけでなく、必要時期と家計の両方で考えます。数年以内に使う金額は、長期保有できる資金とは分けます。価格が下がったときに眠れない、実習や勤務に支障が出るほど確認してしまうなら、積立額や株式比率が高すぎる可能性があります。続けられる金額が上限額より優先です。
全世界株式型
- 主な投資範囲
- 日本を含む世界の株式、または日本を除く世界の株式
- 主な値動きの要因
- 世界の株価、為替
- 見落としやすい点
- 米国株の構成比が高い場合がある
S&P500型
- 主な投資範囲
- 米国の代表的な大型株
- 主な値動きの要因
- 米国企業の業績、米国経済、為替
- 見落としやすい点
- 国の分散は限定される
国内株式型
- 主な投資範囲
- 日本株
- 主な値動きの要因
- 日本企業の業績、国内景気
- 見落としやすい点
- 海外への地域分散がない
バランス型
- 主な投資範囲
- 国内外の株式、債券、REITなど
- 主な値動きの要因
- 各資産の価格、金利、為替
- 見落としやすい点
- 株式100%型より値上がりが小さい局面もある
テーマ・特定国型
- 主な投資範囲
- 特定業種、技術、国など
- 主な値動きの要因
- 対象分野固有の材料
- 見落としやすい点
- 値動きが特定要因へ集中しやすい
| 商品の型 | 主な投資範囲 | 主な値動きの要因 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|---|
| 全世界株式型 | 日本を含む世界の株式、または日本を除く世界の株式 | 世界の株価、為替 | 米国株の構成比が高い場合がある |
| S&P500型 | 米国の代表的な大型株 | 米国企業の業績、米国経済、為替 | 国の分散は限定される |
| 国内株式型 | 日本株 | 日本企業の業績、国内景気 | 海外への地域分散がない |
| バランス型 | 国内外の株式、債券、REITなど | 各資産の価格、金利、為替 | 株式100%型より値上がりが小さい局面もある |
| テーマ・特定国型 | 特定業種、技術、国など | 対象分野固有の材料 | 値動きが特定要因へ集中しやすい |
選び方の第2段階:国名ではなく資産配分から決める
この章の要点次に、資産全体のうち株式をどの程度持つか、国内外をどう分けるかを決めます。商品名を選んでから配分を考えると、同じ企業を重ねて買ったり、意図せず特定国へ偏ったりしやすいためです。
株式型は長期の成長を期待できる一方、短期には大きく変動します。値動きを抑えたい場合は、株式だけでなく債券などを含むバランス型も比較対象です。ただし、外国債券を含めば為替や金利の影響、REITを含めば不動産・金利の影響が加わります。「資産数が多い=常に安全」ではなく、それぞれがどの場面で動くかを見ます。
全世界株式型とS&P500連動型で迷うときは、将来どちらが上がるかではなく、分散範囲を比較します。全世界株式型は米国を含む複数国へ分散し、S&P500は主に米国の大型株へ投資します。2本を同時に持つと投資先が完全に別になるのではなく、共通する米国株が重なるため、米国比率を意図的に高める選択になります。重複を理解して選ぶなら誤りではありませんが、「2本なら分散が2倍」という理解は正確ではありません。
選び方の第3段階:同じ投資先の商品は費用と運用品質を比べる
この章の要点同じ指数、同じ為替ヘッジ条件の商品まで絞ったら、信託報酬だけでなく、実質的な費用、指数とのずれ、純資産の推移、分配方針を比べます。比較条件をそろえることが重要です。
投資信託の交付目論見書には、目的・特色、投資リスク、運用実績、手続・手数料が共通の順序で記載されています。まず「ファンドの目的・特色」で投資先とベンチマーク、「投資リスク」で価格・為替・金利等の変動要因、「手続・手数料等」で購入時、保有中、換金時の費用を確認します。ファンド・オブ・ファンズでは投資先ファンドの費用を含む実質的な負担を見ます。
[2026年9月7日時点の金融庁資料](https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/products/20260907/28.pdf)では、つみたて投資枠の指定インデックス投信の信託報酬率平均は、国内を投資先とする商品が年0.27%、内外・海外を投資先とする商品が年0.34%で、いずれも税抜きです。これは全商品の推奨水準ではなく、対象商品の当日時点の平均です。費用は確実に差し引かれる一方、将来リターンは確定しないため、同じ投資内容なら低い費用は重要な比較材料になります。ただし、最安だけで決めず、指数との連動、売買のしやすさ、運用継続性も合わせて見ます。
純資産総額は大きいほど必ず高収益という指標ではありません。減少が続いていないか、繰上償還の条件に近づいていないかを確認する材料です。過去の騰落率やランキングは運用状況を知る資料にはなりますが、将来の成果を保証しません。
使わなかった年間枠は翌年へ繰り越せる
- 実際の取扱い
- 繰り越せない
売却すると、その年の年間枠がすぐ戻る
- 実際の取扱い
- 同じ年には再利用できない
売却した時価分だけ総枠が戻る
- 実際の取扱い
- 翌年以降、取得金額分が再利用可能になる
NISAの損失は課税口座の利益と相殺できる
- 実際の取扱い
- 損益通算も損失の繰越控除もできない
NISAなら配当金は受取方法に関係なく非課税
- 実際の取扱い
- 上場株式等は株式数比例配分方式が必要
NISA対象なら元本割れしない
- 実際の取扱い
- 市場変動による元本割れがあり得る
| よくある理解 | 実際の取扱い |
|---|---|
| 使わなかった年間枠は翌年へ繰り越せる | 繰り越せない |
| 売却すると、その年の年間枠がすぐ戻る | 同じ年には再利用できない |
| 売却した時価分だけ総枠が戻る | 翌年以降、取得金額分が再利用可能になる |
| NISAの損失は課税口座の利益と相殺できる | 損益通算も損失の繰越控除もできない |
| NISAなら配当金は受取方法に関係なく非課税 | 上場株式等は株式数比例配分方式が必要 |
| NISA対象なら元本割れしない | 市場変動による元本割れがあり得る |
成長投資枠は「上級者専用」でも「必ず使う枠」でもない
この章の要点成長投資枠は、個別株やETFを買いたい人だけの枠ではありません。対象になっていれば投資信託を積み立てることもでき、つみたて投資枠と似た使い方もできます。一方で、使わずに残しても問題はありません。
個別株を選ぶなら、配当利回りや株主優待だけでなく、事業の収益源、負債、利益・キャッシュフロー、競争環境、配当方針を確認します。1社の不調が資産全体に与える影響を小さくするため、NISA以外の預貯金や投資信託を含む総資産で集中度を見ます。高配当は価格下落で利回りが高く見えている場合もあり、減配・無配もあります。
ETF、REIT、テーマ型商品を使う場合も、「つみたて投資枠の分散投資に何を追加するのか」を一文で説明できるか確認します。例えば、全世界株式型に半導体ETFを足すなら、分散を広げるというより半導体への比重を高める選択です。目的が曖昧なまま話題の商品を足すと、保有本数だけ増えて中身の重複が見えにくくなります。
成長投資枠の対象判定は、商品の安全性や将来性を国が保証する審査ではありません。制度の要件を満たしているという意味です。対象可否と投資価値は別に判断します。
購入前に知っておきたいNISAの税金と制度上の注意点
この章の要点NISAは利益が非課税になる一方、損失には課税口座のような救済がありません。[国税庁「No.1535 NISA制度」](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1535.htm)によると、NISA口座の売却損は、特定口座・一般口座の利益や配当と損益通算できず、翌年以降への繰越控除もできません。
商品を売却すると、非課税保有限度額は売却価格ではなく取得金額(簿価)の分だけ翌年以降に復活します。その年に使った年間投資枠は、同じ年には戻りません。例えば60万円で買った商品を同年に売っても、その年の年間枠に60万円が復活するわけではありません。前年に使わなかった年間枠も翌年へ繰り越せません。
国内上場株式、ETF、REITの配当・分配金をNISAで非課税にするには、原則として証券会社の口座で受け取る「株式数比例配分方式」を選びます。銀行口座や郵便局で直接受け取る方式では課税されることがあります。外国株や外国ETFの配当は、日本で非課税でも現地で税が引かれる場合があり、NISAの配当に課された外国税は原則として外国税額控除の対象外です。[国税庁「No.1240」](https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1240.htm)で対象外となる外国税の範囲を確認できます。国・商品・受取方法で扱いが異なるため、購入前に金融機関へ確認します。
投資信託の分配金を再投資すると、その再投資分は新たな買付けとして年間投資枠を使います。NISA内で再投資するか課税口座で再投資するかは金融機関により取扱いが異なります。自動再投資の行き先と残り枠を確認します。元本払戻金(特別分配金)はもともと利益ではないため、非課税メリットを生む分配ではありません。
また、SNSのDMや著名人を名乗る相手から「NISA対象だから安全」「必ず上がる」と勧められても、送金や口座開設を急ぎません。NISAでの買付けは自分が開設した金融機関を通じて行い、業者の登録、公式URL、取引画面を確認します。不審な勧誘や出金トラブルは金融庁の金融サービス利用者相談室や警察に相談します。
忙しい看護学生・看護師は、自動積立と条件付きの見直しで続ける
この章の要点勤務や実習が不規則でも続けやすくするには、毎日の値動きを追うより、無理のない額で自動積立を設定し、見直す条件を先に決めます。仕組み化は、忙しさや相場のニュースで判断がぶれるのを減らす方法です。
積立額は、夜勤手当や賞与を常に得られる前提にせず、通常月の家計でも維持できる額から考えます。収入が減る、学費・転居費が増える、休職・育児・介護などで現金需要が変わるときは、売却を急ぐ前に新規積立の減額・停止で調整できないか確認します。積立を止めても、保有中の商品を必ず売る必要はありません。
見直しでは、次の変化を組み合わせて捉えます。
- 現金残高:予定支出や予備費を十分に残せているか。減っているなら積立額を下げる。
- 資産配分:株高・株安で株式比率が当初の考えから大きくずれていないか。商品を増やす前に全体を確認する。
- 保有商品の中身:同じ国・企業・業種が複数ファンドで重なっていないか。
- 商品の変化:信託報酬、ベンチマーク、分配方針、運用会社、繰上償還、NISA対象可否に変更がないか。
- 自分の反応:値下がりで生活や学業・勤務に支障が出るほど不安なら、金額や株式比率を再評価する。
価格が下がったという一つの所見だけで売却を決めず、市場全体の変動か、商品固有の問題か、使う時期が近づいたか、家計が変わったかを合わせて考えます。手続きや税務の確認は金融機関へ、家計と資産形成を中立的に整理したい場合は[J-FLECの無料相談](https://www.j-flec.go.jp/feature/consult/)を利用できます。個別商品の推奨は受けられませんが、家計管理、生活設計、NISAの一般的な疑問を相談できます。
迷ったときは5つの質問に戻れば、候補を整理できる
この章の要点新NISAの銘柄選びに唯一の正解はありません。次の5つに順番に答えれば、数百・数千の商品から、自分が理解して続けられる候補へ絞れます。
- このお金はいつ使うか。近く使う資金を預貯金に残したか。
- どの程度の値下がりなら、生活を崩さず保有を続けられるか。
- 株式、債券、REITの比率と、国内・海外の範囲をどうするか。
- 同じ投資内容の商品を、費用、分配方針、運用状況、継続性で比べたか。
- 公式一覧と利用する金融機関の両方で、NISA対象・取扱い・手数料を確認したか。
初心者にとって大切なのは、上限まで急いで買うことではなく、理解できる商品を無理のない金額で続けることです。つみたて投資枠だけで始め、必要性を説明できるようになってから成長投資枠を検討しても遅くありません。相場予測ではなく、家計、分散、費用、時間を自分で管理できる選択を優先しましょう。
学習メモ・復習の予定気づきを自分の言葉で残す+
わかったこと、まだ曖昧なこと、次に調べたいことを残せます。
学びを、もう一度
復習日になると、ホームと復習リストで確認できます。
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この記事の編集方針
主要な定義・数値・推奨は、公開時点で確認できるガイドライン、公的資料、学会資料、査読論文を優先して確認しています。未確認の編集メモは公開せず、根拠の範囲や限界を区別して、読者が原資料を確認できるよう参考資料を掲載します。
詳しい編集方針を見る →参考にした資料
- NISAを利用する皆さまへ金融庁・2024年6月作成、2025年9月改訂p.1の元本割れと非推奨の注意、p.3の年間投資枠・非課税保有限度額・対象、p.4の長期・積立・分散、p.5の売却後の枠、p.11のつみたて投資枠要件、p.19の成長投資枠対象・除外、p.20~21の商品特徴、p.33の配当受取条件。見出し1~4、6~11に対応。原資料を開く
- つみたて投資枠対象商品届出一覧(対象資産別)/つみたて投資枠対象商品の分類・信託報酬率の分布金融庁・2026年9月7日対象商品368本、指定インデックス投資信託287本、指定インデックス以外72本、ETF9本、資産別分類、商品名、指定インデックス投信の信託報酬率平均。見出し3、5、8に対応。原資料を開く
- NISA成長投資枠の対象商品(投資信託(非上場)対象商品リスト/上場投資信託(ETF)・上場投資法人(REIT等)対象商品リスト)一般社団法人 資産運用業協会・2026年9月11日更新(非上場)、2026年8月28日更新(上場)各Excelの「対象商品一覧」で商品名、分類、成長投資枠取扱可能日、つみたて投資枠対象可否、掲載行数を確認。見出し3、4に対応。原資料を開く
残り10件の参考資料を見る原資料・発行元・発行年を確認できます+
- 特定非課税管理勘定(NISAの成長投資枠)対象銘柄一覧株式会社東京証券取引所(日本取引所グループ)・2026年5月22日時点内国商品現物型ETF、外国ETF、外国ETF-JDR、ETN-JDRに関する専用Excelの対象範囲と28銘柄。見出し3、4に対応。原資料を開く
- NISAのよくある質問日本証券業協会・2025年9月版(PDF)、ウェブページは2026年9月14日閲覧Q4の対象商品、Q7~8の投資枠、Q18の配当受取方法、Q22の金融機関別取扱い、Q27~29の枠・損失、Q35~36の分配金再投資と元本払戻金。見出し2~4、10に対応。原資料を開く
- No.1535 NISA制度国税庁・2026年4月1日現在法令等令和6年以降のNISAの対象者・金額・非課税、配当の受取条件、損益通算・繰越控除不可。見出し1、2、10に対応。原資料を開く